スリランカが誇る建築家ジェフリー・バワ(Geoffrey Bawa)が手掛けたホテルや、その影響を受けたデザインホテルに滞在しながら、島内の名所を巡る6泊7日のモデルコースを紹介します。

この旅では、バワ建築の魅力を存分に味わえるホテルに泊まりつつ、世界遺産や自然、美食も楽しみます。移動はすべてプライベートのチャータータクシーを利用し、効率よく快適に巡ります。
バワ建築ホテルを巡る王道ツアー旅程表の要約
| 日次 | 移動・スケジュール | 宿泊先(バワ建築ホテル) |
|---|---|---|
| 1日目 | コロンボ空港 到着後、ニゴンボへ移動(車で約30分) ホテルで休息・リゾート施設を満喫 | ニゴンボ:ジェットウィング・ラグーン(バワ設計) |
| 2日目 | 専用車でシーギリヤ方面へ北上(約3.5時間) 途中で世界遺産ダンブッラ石窟寺院を見学 午後:ホテル着。オプションでミンネリヤ国立公園サファリやアーユルヴェーダスパ体験 | シーギリヤ(ダンブッラ):ヘリタンス・カンダラマ(バワ設計) |
| 3日目 | 早朝に世界遺産シーギリヤ・ロックに登頂・観光 下山後ホテル出発、専用車でキャンディへ(約2.5~3時間) 午後:キャンディ市内観光(仏歯寺、マーケットなど) | キャンディ:ザ・キャンディ・ハウス(バワ風デザイン) |
| 4日目 | 専用車で高原のエッラへ移動(約4~5時間) 茶畑の景色を楽しみつつ途中休憩(紅茶工場見学や昼食) 午後:エッラ着。九段のアーチ橋見学やリトルアダムスピークでトレッキング | エッラ:98エーカーズ・リゾート&スパ(バワ影響デザイン) |
| 5日目 | 専用車で南海岸ゴールへ長距離移動(約5~6時間) 午後:世界遺産ゴール旧市街を散策(オランダ要塞、雑貨店やカフェ巡り) 夕方:要塞の城壁からインド洋に沈む夕陽を鑑賞 | ゴール:ジェットウィング・ライトハウス(バワ設計) |
| 6日目 | 午前:ホテルでゆったり(プールやスパ) 専用車でコロンボへ(高速経由で約2時間) 午後:コロンボ市内観光(バワゆかりの建築巡りなど) 夜:最終日のディナーを名店で堪能 | コロンボ:ギャラリー・カフェ隣接ホテル等(デザインホテル) |
| 7日目 | 出発までコロンボで自由行動(お買い物等) 専用車で空港へ送迎し、帰国の途へ | 機中泊(夜のフライト) |
移動はランカミーのタクシーチャーターを活用します。公共交通機関では効率的に回ることができず時間がたらないので、必須の移動手段となっています。

それでは各日程の詳細と見どころを順にご案内します。
1日目:ニゴンボ到着 – ラグーン畔のバワ初作品でリゾートステイ
到着日は、空港に近いビーチタウン・ニゴンボで長旅の疲れを癒します。
空港から車で約20~30分と至近のニゴンボでは、ジェフリー・バワが最初に設計した記念すべきホテル「ジェットウィング・ラグーン」に滞在します。

その名の通りニゴンボ潟のほとりに位置し、レストランからは穏やかなラグーンを望む開放的な眺めが楽しめます。反対側へ数分歩けばインド洋のビーチにも出られ、ラグーンと海に挟まれた絶好のロケーションです。


客室はゆったりとしており、ハンドメイドの木製家具とバスタブ付きのオープンエアの浴室を備えた南国リゾートらしい造りになっています。
ホテル内には全長100mにも及ぶ西海岸最長のスイミングプールがあり、早朝や夕方に利用すると強い日差しを避けて快適です。メインレストランではシェフ自慢の本格スリランカ料理を含むビュッフェやアラカルトを提供しており、中でも黒豚のポークカレーやナスのモージュは絶品です。夕食にはぜひこれら郷土の味に舌鼓を打ってみてください。
時間に余裕があれば、ニゴンボ市内の観光も可能です。オランダ統治時代の面影を残す運河や教会、市場を散策したり、夕方のビーチで地元の人々の暮らしを垣間見たりするのも良いでしょう。1日目は移動を最小限に抑え、バワ初期の作品であるリゾートホテルでゆっくり休んで明日からの旅に備えます。
2日目:シーギリヤへ移動 – 石窟寺院と「森の中の宮殿」カンダラマ
2日目の朝、専用車でスリランカ中央部の文化三角地帯へ向けて出発します。ニゴンボからシーギリヤ(ダンブッラ)までは車で約3時間半。

途中、世界遺産「ダンブッラ石窟寺院」に立ち寄ります。ダンブッラの石窟群は紀元前から続く仏教洞窟寺院で、内部の壁いっぱいに描かれた極彩色の壁画は圧巻です。
広さ2,100㎡にもおよぶ仏教壁画群は世界でも有数の規模と保存状態を誇り、約2000年前の古代の芸術に触れることができます。これらの洞窟壁画の鮮やかな色彩や幾何学模様は、バワのデザインにも影響を与えたとも言われています。


石窟寺院見学後、さらに車で30分ほど進みシーギリヤ周辺のホテル「ヘリタンス・カンダラマ」へ到着します。ヘリタンス・カンダラマはスリランカ内陸部で最も有名なバワ建築ホテルの一つで、周囲をジャングルとカンダラマ湖に囲まれたロケーションにあります。


建物は巨大な岩山に張り付くように設計されており、その外観はまさに自然と一体化した「ジャングルの宮殿」です。ホテルのオープンエアのロビーに一歩足を踏み入れると、眼下に広がるカンダラマ湖越しに遠く世界遺産シーギリヤ・ロックのシルエットが望めるようバワが計算して配置しています。

建物に絡まるツタや生い茂る木々、奇岩をそのまま残した回廊など、まるで密林に吸い込まれていくような独特の空間が広がります。
カンダラマはまた、世界初のLEED認証エコ・ホテルとして知られ、環境と調和した先進的デザインの先駆けでもあります。館内には湖に溶け込むように設計されたインフィニティプールがあり、その境界線が周囲の湖面と一体化して見える眺めは息を呑む美しさです。
プールに浸かれば旅の疲れも吹き飛ぶことでしょう。また3つのレストランではビュッフェ形式で多彩な料理が提供され、セイロンカレーなど本格的な地元料理から各国料理まで味わえます。屋外レストランでは湖やシーギリヤ岩山の景色を眺めながら食事ができ、宿泊客から「料理も景観も素晴らしい」と評判です。夕食時にはぜひスリランカカレーを味わい、満天の星空の下で食後のひとときを過ごしてください。


午後はお好みに応じて過ごしましょう。アーユルヴェーダスパで本場のマッサージを受け心身を癒すのも良いですし、近隣でサファリに参加することも可能です。
シーギリヤ周辺にはミンネリヤ国立公園があり、夕刻には野生の象の大群に出会えるチャンスがあります。ジープに乗ってサファリドライブを体験すれば、スリランカの豊かな野生動物にも出会えるでしょう。


何もしないでホテルのテラスでジャングルの音に耳を澄まし読書を楽しむのも贅沢です。このように2日目は、文化遺産とバワ建築、自然の調和を存分に感じられる一日となります。
3日目:シーギリヤ岩登頂とキャンディへ – 王都で伝統文化とバワの足跡
早朝、まだ涼しいうちにシーギリヤ・ロック(シギリヤ要塞)の観光に向かいます。シーギリヤ・ロックは5世紀のシンハラ王朝カッサパ1世が築いた天空の要塞都市で、その高さは約180mにも及ぶ巨大な一枚岩です。







岩肌や頂上には王宮の遺構が残り、獅子の口をかたどった門を通って頂上へと続く階段を登ると、かつての都の栄華を偲ばせる遺跡群と360度の大パノラマが眼下に広がります。
頂上からは周囲のジャングルと無数の湖沼、美しく連なる山並みを一望でき、その光景は「天空の宮殿」に相応しい壮大さです。世界遺産にも指定されたこの要塞遺跡は「世界の八番目の不思議」と評されることもあり、その歴史的価値と構造の巧みさに感嘆させられます。
体力に自信があれば、シーギリヤ岩の北隣にあるピドゥランガラ岩にも登ってみましょう。こちらは比較的短時間(片道30~40分)で登頂でき、頂上の岩棚からは目前にシーギリヤ・ロックを望む絶景ポイントとして人気です。両方の岩に登れば異なる角度から景色を楽しめますが、無理は禁物ですので時間と相談して計画してください。
午前中にホテルへ戻り朝食をとった後、チェックアウトしてキャンディへ向かいます。シーギリヤ(ダンブッラ)からキャンディまでは車で約2.5~3時間です。


道中、香辛料の産地マータレーでスパイスガーデンに立ち寄り、シナモンやクローブなどセイロンスパイスの説明を聞きながら休憩することもできます。午後にスリランカ第2の都市キャンディに到着したら、市内観光へ出かけましょう。
キャンディは最後の王朝が栄えた古都であり、仏教徒にとって聖地でもあります。最大の見所は世界遺産「仏歯寺(ダラダーマーリガーワ寺院)」です。キャンディ湖畔に建つこの寺院には仏陀の牙(仏歯)が安置されており、国内外から巡礼者が訪れます。




夕方6時半頃には仏歯に礼拝を捧げる儀式(プージャ)が行われ、太鼓や法螺貝の音が響く厳かな雰囲気の中で黄金の厨子が開かれる様子を見ることができます。



寺院内部の精緻な彫刻や絵画、歴代王の寄進品も興味深く、スリランカの信仰文化に触れられるスポットです。
その後は市内中心部でショッピングや散策を楽しめます。キャンディ市場では紅茶やスパイス、手工芸品が手に入り、カラフルな果物が並ぶローカル市場の活気も体感できます。
また、時間に余裕があればペラデニヤ王立植物園へ足を延ばすのもおすすめです。19世紀に作られた東洋最大級の植物園で、広大な敷地にヤシ並木やランの温室、巨木の森が広がり、リフレッシュに最適です。熱帯の花々やスリランカ固有の植物をのんびり鑑賞しましょう。
夜はキャンディでの宿泊となります。選んだホテルは、キャンディ郊外の緑に囲まれた歴史的邸宅を改装したブティックホテル「ザ・キャンディ・ハウス(The Kandy House)」です。




客室数わずか9室の隠れ家ホテルで、元は1804年に建てられたキャンディ王朝の貴族の邸宅でした。バワ設計ではありませんが、その開放的なベランダや中庭のある造り、アンティーク調のインテリアはバワのデザイン思想を色濃く反映しています。
屋内と屋外がシームレスにつながる設計はまさにバワの理念を感じさせ、歴史的建物ならではの優雅さと静けさが魅力です。プールに面したテラスで南国の風を感じながら紅茶をいただけば、王朝時代にタイムスリップしたかのような気分になるでしょう。
夕食はキャンディ・ハウス自慢の創作スリランカ料理のコースをどうぞ。キャンドルが灯るダイニングで地元産の食材を使った丁寧な料理を味わえば、旅のロマンを一層引き立ててくれます。
あるいは街中のレストランでキャンディ名物の伝統舞踊ショーを鑑賞しつつ食事を楽しむこともできます。キャンディの夜は涼しく過ごしやすいので、ホテルのバルコニーから虫の音を聞きながらのんびり過ごすのもおすすめです。


4日目:紅茶のふるさと高原へ – エッラで絶景とエコ・ラグジュアリー体験
4日目は山岳地帯のエッラ(Ella)へ向かいます。キャンディからエッラへは車で約4~5時間の道のりです。途中、紅茶で有名なヌワラエリヤを経由していくルートでは、標高が上がるにつれ気温が下がり茶畑の広がる美しい風景が車窓に展開します。


丘陵に段々と続く濃緑の絨毯のような茶園と、ところどころに立つ白い紅茶工場の建物は、高原地帯ならではの光景です。休憩がてら紅茶工場に立ち寄り、摘みたてのセイロンティーをいただきながら製茶の工程を見学するのも良いでしょう。フレッシュな紅茶の香りに包まれてリフレッシュしたら、再び車でエッラへ向かいます。
午後、エッラに到着です。エッラは標高1,000m前後の小さな町ですが、ここ数年その絶景で人気急上昇中の高原リゾートです。宿泊はエッラ随一のラグジュアリーリゾート「98エーカーズ・リゾート&スパ」です。




名前の通りかつての紅茶農園の広大な98エーカー(約40ヘクタール)の敷地に建てられたブティックホテルで、エッラならではの雄大な景色を独占しています。
敷地内の丘陵に点在する全28棟のヴィラは木材と石など天然素材で建てられ、茅葺き屋根に木造のベランダ、大きなパノラマ窓を備えて周囲の景観に溶け込むようデザインされています。
まさに「自然と調和した建築」のコンセプトが体現されたホテルで、居ながらにしてアウトドアと一体化する感覚を味わえるでしょう。室内はミニマルで洗練されたインテリアでまとめられ、随所にスリランカ伝統の工芸要素が取り入れられています。



細部まで環境に配慮したつくりで、控えめでありながら上質な贅沢感を演出しています。バワの提唱したトロピカル・モダニズムの精神を受け継ぐエコ・ラグジュアリーな空間と言えます。
ホテルに荷物を置いたら、エッラ周辺の観光に出かけましょう。特に有名なのが、九段のアーチ橋(Nine Arch Bridge)と呼ばれる1913年築の石造鉄道橋です。


緑生い茂る谷に9連のアーチが優美な曲線を描く姿は「天空に架かる橋」とも称され、エッラを代表する写真スポットになっています。橋を歩いて渡ることもできますし、ちょうど列車が通過する時間帯に合わせて眺めれば、トンネルから現れゆっくり橋を渡る青い列車と谷景色のコントラストが絵葉書のように美しい光景を目にできます。
夕方、ホテルに戻ったらスパで旅の疲れを癒すのも良いでしょう。98エーカーズ・リゾートはスパも評判で、紅茶エキスを使ったトリートメントなどユニークなメニューもあります。
夜はホテルのレストラン「レストラン98」にてディナーをどうぞ。丘の上に位置するレストランからはエッラ峡谷や茶畑を見渡すパノラマが広がり、スリランカ料理からコンチネンタルまで多彩なメニューが揃います。
特に紅茶を使ったスープや揚げアイスクリームのデザートなど、この地ならではのスペシャルも試してみてください。星空の下、静かな自然に囲まれていただく食事は格別で、高原の夜の涼しさも相まって心地よい眠りに誘ってくれるでしょう。
5日目:南国の海へ大移動 – ゴール旧市街散策と海辺の名建築ライトハウス
今日は山岳地帯から一気に南の海岸へと向かいます。エッラからゴールまでは専用車で約6時間の長距離移動です。雄大な景色を眺めながら山道を下り、途中で適宜休憩を取りつつ進みましょう。


平地に降りてから高速道路に乗れば移動時間を短縮できます。昼過ぎにはゴール近郊に到着です。ゴールは16世紀以降ポルトガル、オランダ、イギリスが拠点とした港町で、ヨーロッパとアジアの文化が融合した独特の街並みが残ります。




中でもゴール旧市街と要塞はユネスコ世界遺産に登録されており、南アジアに現存する最もよく保存されたヨーロッパ築城都市の一つです。石畳の街路やオランダ建築の風格ある家並みが続き、植民地時代の面影とリゾート地の開放感が調和した美しいエリアです。
午後はゴール要塞エリアを自由に散策しましょう。まずは城壁沿いに歩いてみてください。海に突き出した要塞の城壁の上は遊歩道になっており、潮風を感じながらインド洋の大海原を望むことができます。
所々に大砲が今も残り、歴史を感じさせます。先端まで行けば白亜の灯台(ゴール灯台)が青空に映え、写真スポットとして人気です。街中に入ると、おしゃれなカフェや雑貨店、ジュエリーショップが点在しています。紅茶専門店でお気に入りの茶葉を買ったり、宝石店でスリランカ名産の宝石を眺めたりするのも良い記念になります。
オランダ統治時代の古い教会(オランダ改革派教会)や総督邸だった建物を利用した博物館など、歴史的建造物も見どころが多いです。歩き疲れたらカフェでスリランカ風アイスコーヒーやキングココナッツジュースを飲んで一息入れましょう。
散策を楽しんだ後、本日の宿「ジェットウィング・ライトハウス」へ向かいます。ゴール旧市街から車で10分程、海岸沿いの小高い岬に建つ5つ星リゾートで、バワ晩年の代表作として知られます。







ヘリタンス・カンダラマが「山の傑作」と称されるなら、ジェットウィング・ライトハウスは「海の傑作」とも呼ばれる存在で、1995年完成のこのホテルはバワとジェットウィング社の最初のコラボレーション作品でした。
ホテルに足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが壮大な螺旋階段です。銅と真鍮で造られた実物大の兵士たちの彫刻が手すりとなったこの階段は圧巻で、訪れた客を魅了します。


スリランカの彫刻家ラキ・セナナヤケによるこの作品は「雲の下でセイロンに上陸するポルトガル人」というタイトルの絵に着想を得たもので、16世紀に嵐に流されてゴールに辿り着いたポルトガル軍とそれを迎え撃つシンハラ王朝軍の戦いの様子が表現されています。
階段の下では望遠鏡を構えたポルトガル提督ロレンソ・デ・アルメイダが上陸を見守り、上階には笛を吹くシンハラの王が鎮座するという劇的な構図で、まさにホテルのハイライトと言えるでしょう。
階段を上がりきると、視界が一気に開けてインド洋を一望する広々としたレセプションエリアに出ます。開放的なラウンジやテラスが海へ向かって伸びるその設計は、植民地時代のレストハウスやクラブを思わせる趣があり、同時に屋内外の境界を感じさせない「トロピカル・モダニズム」の真髄が体現されています。


低く抑えられた建物のライン、広い軒下空間と風通しの良いレイアウト、地元で調達した木材・石材・陶器といった自然素材の活用など、随所にバワの美学が息づいています。二棟の客室棟と一棟のサービス棟から成る建物は、互いに連続しながら岬の岩場に溶け込むよう配置されており、その佇まいは風景の一部となっています。アンティーク家具が配されたロビーは歴史の趣きを漂わせ、どことなく懐かしい雰囲気に浸れるでしょう。
客室は全85室とバワ作品の中では最大規模ですが、左右2棟に分散配置することで圧迫感を感じさせません。インテリアは木や石を使ったエレガントなコロニアル風で、全室にオーシャンビューのバルコニーまたはテラスが付属します。
ゆったりとしたベッドで波音をBGMにくつろげば、旅の疲れも癒やされるでしょう。ホテル敷地からは小さなプライベートビーチへ降りることもでき、2つのインフィニティプールから望むインド洋の眺めはまさに贅沢の極みです。夕暮れ時にはプールサイドで南国の夕陽が海に沈むドラマティックな光景をぜひ見届けてください。



ライトハウスには趣向の異なるレストランやバーが充実しています。24時間営業のカフェテリア、シーフードが評判の高級ダイニング「シナモンルーム」、プールサイドのグリル&バー、海を臨むカクテルラウンジなど、その日の気分で選べる楽しみがあります。
特に新鮮なシーフード料理は高い評価を得ており、シェフ渾身の創作メニューが揃います。今夜はホテル内で、波音を聞きながら極上の海の幸ディナーを味わいましょう。食後は「コート・オブ・アームズ・バー」のオープンエアデッキで星空を眺めつつ一杯飲むのもおすすめです。
こうしてバワ建築の海辺の傑作に浸るひとときを過ごせば、スリランカ南岸の魅力を五感で堪能できるはずです。
6日目:ゴールからコロンボへ – 都市に息づくバワの遺産と旅の締めくくり
旅もいよいよ最終日です。午前中はライトハウスホテルでゆっくり過ごしましょう。せっかくのリゾートですから、南国の朝日を浴びながらプールでひと泳ぎしたり、スパでアーユルヴェーダトリートメントを受けたりしてリラックスしてはいかがでしょうか。
チェックアウト後、専用車でコロンボへ向けて出発します。ゴールからコロンボまでは高速道路を利用して約2時間、快適なドライブで一気に北上します。午後にはスリランカの商都コロンボに到着です。


コロンボ市内には近代的な高層ビルが立ち並ぶ一方、街のあちこちにバワが手掛けた建築が隠れています。まず訪れたいのが、ベイラ湖の上に浮かぶように建つ小さな仏教寺院「シーマ・マラカヤ寺院」です。


この水上寺院はバワが1970年代に再設計したもので、湖面に配された幾何学的な浮舞台と祠堂が非常に幻想的な雰囲気を醸し出しています。都会の喧噪の中のオアシスのような空間で、バワらしい静謐さと神秘性を感じることができるでしょう。
また、コロンボに来たら是非訪れていただきたいのが、バワの私邸「ナンバー11(Number 11)」です。コロンボの高級住宅街にひっそり佇むバワの自宅は、元々別々の4棟の家屋を購入して一つに繋げ改装したというユニークな造りです。




バワは生涯を通じてこの自邸を改築し続け、自身のデザイン哲学を凝縮した空間を作り上げました。現在ではこの邸宅自体が予約制の宿泊施設兼ミュージアムとなっており、館内ツアーに参加して見学することも可能です。
美しく維持管理された室内にはバワの収集した絵画や彫刻が配され、各部屋ごとに異なるテーマでデザインされています。光と影の巧みな使い方、中庭やテラスを巧妙に取り入れたレイアウトなど、隅々からバワの美意識が感じられる空間は建築ファンならずとも感嘆することでしょう。



「バワ建築を極めるなら彼の家に泊まるべし」とまで言われるほど特別な場所です(宿泊は1日1組限定・要事前予約。今回は見学のみでも、ここを訪れることで旅のテーマであるバワ建築への理解が一段と深まるはずです。
夕刻になったら、旅の締めくくりにふさわしいディナーへ出かけましょう。コロンボ屈指の人気レストラン「パラダイスロード・ギャラリーカフェ」は、実はジェフリー・バワがかつて仕事場として使用していた建物を改装したものです。
美しい中庭と洒落たインテリアが特徴で、地元の富裕層や観光客に愛されています。スリランカ料理から各国料理まで洗練されたメニューが揃い、デザートの美味しさでも有名です。
バワのオフィスだった空間で食事をいただくという体験は、この旅の締めくくりに相応しい特別な思い出となるでしょう。予約必須の人気店ですので、ホテルのコンシェルジュに頼んで手配してもらうと安心です。
ディナー後はホテルへ戻り、荷物の整理を行います。コロンボでは格式ある5つ星ホテルからブティックデザインホテルまで選択肢が豊富ですが、せっかくならバワにゆかりの深い宿に泊まりたいところです。
前述のナンバー11を一棟借りして宿泊することも究極の体験ですが、難しければバワの弟子が内装を手掛けた「Paradise Road Tintagel(ティンタジェル)」(かつての大統領邸宅を改装)や、植民地時代の面影を残す「ゴールフェイス・ホテル」なども候補になります。




いずれにせよ、コロンボの夜はゆったりと最後の南国の時間をお楽しみください。
7日目:コロンボ発 – バワ建築の余韻と共に帰路へ
いよいよ出発の日です。午前中、時間に余裕があればコロンボ市内で最後の買い物や散策を楽しみましょう。コロンボには大型ショッピングモールからバザール(市場)まで何でも揃っています。
紅茶やスパイスの買い忘れはありませんか?
お気に入りの一品を探してみてください。また、余裕があればコロンボ国立博物館でスリランカの歴史と文化に触れたり、街のランドマークである独立記念ホールを見学したりするのもよいでしょう。専用車は出発時間に合わせてホテルにお迎えにあがります。コロンボ国際空港までは市内中心部から車で約1時間です。道中、車窓に広がる街並みに旅の思い出を重ねながら空港へ向かいましょう。
空港に到着したら、チェックインを済ませ、スリランカ最後の味としてセイロンティーやカレーを楽しむ時間があるかもしれません。
そして搭乗の時刻になりましたら、一路ご帰国となります。今回は6泊7日の行程で主要なバワ建築ホテルを巡りましたが、スリランカには他にもバワの傑作や美しい景勝地が数多くあります。ぜひまた機会がありましたら、さらに奥深いスリランカの旅を計画してみてください。
以上、ジェフリー・バワの建築とスリランカの魅力を堪能するモデルプランをご紹介しました。豊かな自然と文化の中で育まれた唯一無二の建築美に触れる旅は、きっとあなたに新たな発見と感動をもたらしてくれることでしょう。今回のプランを参考に、極上のスリランカ旅行をお楽しみください。






