スリランカはインド亜大陸の先端に位置する「インド洋の真珠」と称される島国です。
国土は北海道の約8割ほどながら、世界遺産から美しいビーチ、高原の紅茶畑やアーユルヴェーダまで、多彩な魅力が凝縮されています。直行便なら成田空港を午前11:15に出発し約9時間20分でコロンボ(バンダラナイケ国際空港)に到着(現地時間同日17:05着)します。

短期間の旅行でも、例えば3泊4日あればシーギリヤロックの遺跡や街歩き、本場カレーなど十分満喫可能といわれます。
実際、欧米の旅行者の中には4日間で紅茶の名産地とヤーラ国立公園のサファリを組み合わせる強行プランを実現した例もあり(※専用車で長距離移動)、要望次第で短期でも内容の濃い旅程を組むことができます。
とはいえ3泊4日の旅行では時間に限りがあるため、何を優先するかが大切です。本記事では日本人観光客向けに、目的別の4種類のモデルコースをご提案します。
どのプランも現実的な日程で組んでおり、専用車チャーター(スリランカタクシーチャーターサービス)を利用して効率よく巡る想定です。





基本プランであれば3泊4日で5万9000円(税込)でチャーターすることができます。2人だったら1人あたり3万円以下でチャーターできますね!



3人以上だとVanタイプの7万1000となりますが、家族4人で利用したら4日間1人あたり1万7500円でチャーターできることになります!
実際、初めてのスリランカ旅行でも専用車なら安心・快適に主要スポットを回れます。短期日程では多少費用がかさんでも時間を買うメリットが大きく、安全面でも現地に不慣れな旅行者にはおすすめの移動手段です。
なお現在、日本人観光客向けの電子渡航認証(ETA)は一時的に無料措置が実施されています(申請手数料のみ必要)。出発前に最新情報を確認してください。それでは、それぞれのモデルコースの詳細と費用目安を順にご紹介します。
1. アーユルヴェーダ体験プラン ~癒しのリトリート~



スリランカ伝統医療のアーユルヴェーダを本格体験したい方向けのリラクゼーション重視コースです。
スリランカには医師常駐の本格アーユルヴェーダ施設が各地にあり、欧米や日本からのウェルネス旅行者にも近年人気が高まっています。
移動を最小限に抑え、空港から車で約2時間以内の専門リゾートに連泊します。心身のデトックスや日頃のストレス解消が目的で、観光よりも癒し優先のスケジュールです(2泊の短縮も可)。


旅程(モデルコース)
成田発の直行便でコロンボへ。夕方空港到着後、専用車で直接リゾートへ向かいます(空港から約2時間圏内のワドゥワやベールワラ等)。
例えば空港近郊ではネゴンボの「Jetwing Ayurveda Pavilions(ジェットウィング・アーユルヴェーダ・パビリオンズ)」がアクセス抜群でおすすめです(車で20~30分)。




今回は例としてワドゥワ(空港南方約2時間)の老舗「シッダレパ・アーユルヴェーダ・ヘルスリゾート」に宿泊します。




ホテル到着は夜8~9時頃。リゾート内レストランで消化に良いヘルシーな夕食をいただき、旅の疲れを癒やしましょう。夜は波音を聞きながらゆったり就寝。
朝は鳥のさえずりとともに自然光で目覚めます。ドクターの問診を受け、体質診断に基づく施術プログラムが開始。



午前中90分ほど全身オイルマッサージやハーバルスチームバス等のトリートメントを受け、内側からデトックスを図ります。施術後はハーブティーを飲みながら庭園でリラックス。
南国の緑と花々に包まれ、心身ともにリフレッシュできます。昼食はアーユルヴェーディックなヘルシーメニューを堪能(油分控えめのカレーやココナッツサラダなど)。
午後も約90分の施術。シロダーラ(額にオイルを垂らす療法)や薬草湯など、日々異なるケアで疲労や毒素の排出を促します。夕方、敷地内で開催されるヨガクラスに参加して心を整えましょう(多くの施設で早朝または夕方に無料ヨガあり)。


夜はハーブを使ったディナーと瞑想タイム。テレビやインターネットは極力控え、21~22時には就寝します。
朝の空いた時間に周辺を散策しましょう。
例えばワドゥワのビーチに出てインド洋の景色を楽しんだり、近隣の街の市場を訪れてスパイスやトロピカルフルーツを見てみるのも一興です。
オプショナルで地元の寺院見学やハーブ園ツアーを手配することも可能です(※過度な移動はせず車で片道1時間圏内に留めるのがおすすめ)。



タクシーチャーターであればドライバーに要望を伝えるだけで、目的地に連れて行ってくれるので楽ですね!
リゾートに戻ったらアフタヌーンティーでセイロン紅茶を味わい、午後は再びオイルトリートメントやフェイシャルなど追加の施術を楽しみます。
シッダレパでは女性のチーフドクターが常勤しており、女性客も安心して悩みを相談できると評判です。最終日の施術を心ゆくまで堪能し、体の内外が軽くなるのを感じましょう。夜は名残惜しみつつ、南国の夜風に吹かれながらリゾートで最後の夜を過ごします。
朝、ゆっくり目に起床。軽いストレッチや瞑想で心身を整え、ハーブ粥などデトックス朝食をいただきます。
チェックアウト後、専用車で空港へ向かいます(午後便に合わせ昼前後に出発)。運転手にお礼とチップを渡し、コロンボ空港から夕方の便で日本へ発ちます。「癒しの島」スリランカに再訪を誓いながら帰路へ―。
宿泊ホテル候補
アーユルヴェーダ専門リゾートに連泊します。高級ホテルならワドゥワの「シッダレパ・アーユルヴェーダ・ヘルスリゾート」がおすすめです。
南国の庭園とプライベートビーチを備えた老舗施設で、女性医師による問診や質の高い施術に定評があります。1泊あたり約18,000~22,000円(フルボード&トリートメント込)と本格リゾートとしては比較的手頃で、長期滞在する欧米人リピーターも多い人気宿です。
ミドルクラスの選択肢としては空港至近の「ジェットウィング・アーユルヴェーダ・パビリオンズ」があります。こちらは空港から車でわずか20~30分という立地ながら、本格施術と静かな環境に定評がある隠れ家的リゾートです。到着夜の移動時間を短縮したい場合に最適でしょう。
1人あたりの費用概算
費用項目 | ローシーズン (閑散期) | ハイシーズン (繁忙期) |
---|---|---|
航空券(成田〜コロンボ往復) | 約70,000円 | 約130,000円 |
宿泊(アーユルヴェーダ施設3泊) | 約60,000円 | 約80,000円 |
専用車チャーター(3泊4日) | 59,000円(1人で利用) 29,500円(2人で利用) 24,000円(3人でVANを利用) 18,000円(4人でVANを利用) | 59,000円(1人で利用) 29,500円(2人で利用) 24,000円(3人でVANを利用) 18,000円(4人でVANを利用) |
観光・食事・雑費 | 約10,000円 | 約15,000円 |
合計 | 約16万円〜約20万円 | 約24万円〜約28万円 |
※ローシーズンは雨季(5~7月頃)の平常時期、ハイシーズンは日本の大型連休や年末年始など需要が高まる時期を想定しています。
2. 世界遺産周遊+サファリプラン ~文化三角地帯と野生動物を巡る~
スリランカ北中部の文化三角地帯と呼ばれるエリアに点在する世界遺産を巡りつつ、野生の象に出会えるサファリ体験も組み込んだ欲張りコースです。
【シギリヤ・ダンブッラ・キャンディ】の3つの世界遺産と、象の生息地ミンネリヤ国立公園をわずか4日で訪れます。移動距離は長めですが、専用車なら短期間でも主要スポットを効率良く回れます。スリランカ観光のハイライトを網羅した満足度の高いプランです。
旅程(モデルコース)
午前に成田を出発し夕方コロンボ着。入国後すぐ専用車で内陸部へ向かいます。
目指すはシギリヤ近郊(ダンブッラまたはハバラナ周辺)のホテル。空港から目的地までは車で約4時間強、道中で軽食休憩を挟みつつ移動します。
夜10~11時頃、ジャングルに囲まれた憧れのホテル「ヘリタンス・カンダラマ」に到着。こちらは巨岩と森に溶け込むように設計された建築家ジェフリー・バワ設計の名作ホテルです。




長時間移動の疲れも、美しい自然に包まれた空間に足を踏み入れれば吹き飛ぶでしょう。「森の中の宮殿」と称される幻想的なホテルでゆっくり休みます。
早朝6時半にホテルを出発。世界遺産シーギリヤ・ロックの観光からスタートします。涼しいうちに岩山の頂上まで約1,200段の階段を一歩一歩登りましょう。


途中、伝説的な美女の壁画「シーギリヤ・レディ」のある壁龕を見学し、巨大な獅子の足の門をくぐって山頂へ。かつて王宮があった頂上からは360度の熱帯平原の大パノラマが望めます。




下山後はふもとのレストランで一息つき、午前11時頃ホテルへ戻ります。(※体力に自信があれば近隣のピドゥランガラ岩にも登るオプションもありますが、かなりハードなので時間と相談)。
午後はミンネリヤ国立公園でサファリ体験!専用ジープに乗り換えて公園内へ繰り出します。広大な草原と湖沼のエリアで、野生のスリランカ象の群れに出会えることで有名です。


運が良ければ数十頭規模の象の群れが湖岸に水浴びに集まる光景を目撃できるでしょう。その他にもシカやクジャク、ワニ、珍しい鳥類など多様な動物たちを間近に観察できます。
夕暮れ時までサファリを楽しんだら出口へ戻り、ジープからチャーター車へ再合流。夜7時頃ホテル着。サファリ帰りの体はほこりまみれなので、シャワーで汗を流してからホテルのディナーへ。満天の星空を眺めながら静かな夜を過ごします。
朝は少しゆっくり起床し、ホテルでの自然豊かな朝食ビュッフェを堪能。チェックアウト後、まず近隣の世界遺産ダンブッラの黄金寺院へ(車で約30分)。


巨大な黄金仏が迎える石窟寺院群で、5つの石窟内部に壁一面の仏教壁画と大小様々な仏像が安置されています。涅槃仏像の足元に描かれた蓮の花模様や、天井いっぱいの曼荼羅文様は見応え充分です。
スリランカの人々の篤い信仰心に触れ、敬虔な気持ちでお参りしましょう。見学後は再び専用車で出発し、南の古都キャンディを目指します(所要約2時間半)。



途中、マータレーのスパイスガーデンに立ち寄るのもおすすめです。



シナモンやクローブなどセイロンスパイスの香りを体験しながら、ハーブの効能やスパイスカレーの秘訣を学べます。
午後1~2時にキャンディ市内に到着。高原の古都キャンディはかつてシンハラ王朝最後の都がおかれた街で、仏教文化の中心地です。市内レストランで名物のキャンディアンカレーの昼食を取った後、世界遺産仏歯寺(ダラダーマーリガーワ寺院)を観光。


釈迦の犬歯が奉安された聖なる寺院で、金色に輝く本堂内部では白い衣を纏った巡礼者たちが祈りを捧げています。1日2回(朝と夜)行われる仏歯の儀式では太鼓や法螺貝が響く厳かな雰囲気を体験できるでしょう。
夕方はキャンディ湖畔を散策し、紅茶や宝石のお土産店をのぞいてみても良いですね。夜はキャンディ市内のホテルにチェックイン。



希望があればキャンディアン文化舞踊ショーを鑑賞する手配も可能です。
ショーでは鮮やかな衣装に身を包んだ男女がキャンディ伝統の舞踊を披露し、最後に炎の舞(ファイヤーダンス)も登場します。盛りだくさんだった文化三角地帯巡りの締めくくりに、スリランカ文化への理解が一層深まることでしょう。
いよいよ最終日。朝食後、専用車でコロンボ空港へ向かいます(キャンディから空港まで所要約3~4時間)。途中、時間に余裕があればピンナウェラ象の孤児院に立ち寄ることも可能です(キャンディから1時間ほど逆方向に行くため、フライト時間次第)。


孤児象たちが川で水浴びする様子は迫力満点で、観光客にも人気のスポットです。
その後高速経由で空港へ。途中トイレ休憩を兼ね、お土産にセイロン茶を買い足すのも良いでしょう。夕刻、コロンボ発の帰国便にチェックインし、日本へ。(深夜便利用の場合はコロンボ市内観光を半日組み込むことも可)
宿泊ホテル候補
1~2泊目はシギリヤ周辺、3泊目はキャンディに滞在します。文化三角地帯エリアの高級ホテルで特に人気なのがダンブッラ湖畔の「ヘリタンス・カンダラマ」です。







建築家バワ晩年の最高傑作とも称されるリゾートで、眼前に広がるインド洋と建築が織りなす一体感は「自然と建築の融合」の極致と評されています。



ジャングルに抱かれた絶景プールや洞窟風スパなど唯一無二の滞在が叶うため、予算が許せばぜひ検討ください。
ミドルクラスの宿ならシギリヤを望む「アリヤリゾート&スパ」がおすすめです。清潔で快適な4つ星ホテルで、屋外プールからは緑の中にポツンとそびえるシギリヤ岩石を遠望できます。
キャンディでは街中心部の「オゾ・キャンディ」(機能的で立地良好)や、コロニアル調の老舗「クイーンズホテル」などが人気です。ただしキャンディ宿泊は1泊だけですので、グレードより利便性重視で選ぶと良いでしょう。
1人あたりの概算費用
費用項目 | ローシーズン | ハイシーズン |
---|---|---|
航空券(往復) | 約70,000円 | 約130,000円 |
宿泊(世界遺産エリア計3泊) | 約45,000円 | 約60,000円 |
専用車チャーター(3泊4日) | 59,000円(1人で利用) 29,500円(2人で利用) 24,000円(3人でVANを利用) 18,000円(4人でVANを利用) | 59,000円(1人で利用) 29,500円(2人で利用) 24,000円(3人でVANを利用) 18,000円(4人でVANを利用) |
観光・食事・雑費 | 約20,000円 | 約25,000円 |
合計 | 約15.5万円〜約19.5万円 | 約23万円〜約27.5万円 |
※遺跡入場料が全体費用の中で比較的高額になります(シーギリヤ要塞遺跡は1人約40ドル)。
3. 南部ビーチリゾートプラン ~ゴール旧市街と海の野生に出会う~
スリランカ南西海岸のビーチリゾートエリアで3泊4日を過ごす、リゾート&海洋生物満喫プランです。



オランダ統治時代の要塞都市ゴール旧市街(世界遺産)の観光に加え、ホエールウォッチング(クジラ観察)やウミガメ保護施設訪問など海ならではの体験を組み込みました。
インド洋の青い海と南国の陽光を浴びながら、のんびりリゾート気分を味わいたい方に最適です。
旅程(モデルコース)
午前に成田発、コロンボに夕方到着。専用車でそのまま南部の港町ゴールへ向かいます(高速道路利用で所要約2.5時間)。
夜8時頃、ゴールのホテルにチェックイン。夕食はホテル内またはゴール要塞内のレストランでシーフードを楽しみましょう。
ゴール旧市街は夜になると静寂に包まれ、ライトアップされた城壁や灯台がロマンチックな雰囲気です。翌朝早いので深夜まで無理せず就寝します。
早朝5時に起床。車で約1時間の港町ミリッサへ向かいます。6時半発のホエールウォッチングクルーズに乗船し、インド洋沖合へ繰り出します。



スリランカ南岸沖は世界有数のシロナガスクジラの生息海域として知られ、12~4月の季節には高確率でクジラに遭遇できます。


船上では専門ガイドの解説を聞きながら、運が良ければ巨大な尾びれを優雅に海面に現すクジラや、元気に跳ねるイルカの群れに出会えるでしょう。約3~4時間のクルーズを終え港に戻ったら11時頃。
ミリッサの海辺のカフェで軽く昼食をとりつつ休憩します。午後はゴールへ戻り、ゴール旧市街(ゴール・フォート)を観光。16世紀にポルトガル人が築き、その後オランダ人が拡張した星型の要塞都市です。
周囲を高さ6~20mもの頑丈な城壁に囲まれた街には、オランダ改革派教会や旧総督邸、英国統治時代の時計台など歴史的建造物が立ち並びます。


城壁の上を歩いて灯台まで行けば、青い海と赤茶の屋根瓦の町並みが一望でき、まるで時代を遡ったような気分に。夕方には地元の人々が城壁の上からクリケット観戦したり夕日を眺めたりする姿ものどかです。



オシャレな雑貨店やカフェも多いので、お土産探しも楽しめます。
夜はフォート内のレストランで新鮮なシーフードディナーを。ゴール名物のオランダ風カレー(ラムプリン)なども味わってみましょう。夜はゴール泊。
この日は南国ビーチを満喫します。朝食後、車で30分ほど北上し人気ビーチリゾートのヒッカドゥワへ(もしくは逆方向に30分のウナワトゥナビーチでも可)。
ヒッカドゥワ海岸はオレンジ色の屋根が連なる4つ星リゾート「ヒッカ・トランズ by シナモン」などが建ち並ぶ有名ビーチで、目前の海にはサンゴ礁が広がり熱帯魚が泳ぐ絶好のシュノーケリングスポットです。







運が良ければウミガメが浅瀬まで餌を食べにやって来る姿も見られます。透き通る海で泳いだり、ビーチチェアで読書したり、思い思いに南国の休日を過ごしましょう。
昼は海辺のレストランで新鮮なロブスターやカニカレーに舌鼓。午後は再びゴール方面へ戻り、途中のウミガメ保護施設に立ち寄ります。
ゴール近郊のハバラデュワには「シータートル・ハッチャリー(Sea Turtle Hatchery)」と呼ばれるウミガメ孵化場があり、地元で保護したウミガメの卵を人工孵化させて稚ガメを海に戻す活動を行っています。
施設では大きなウミガメ(保護中の傷病個体)や孵化したばかりの赤ちゃんガメを見学でき、保護活動について学ぶことができます。タイミングが合えば夕方に子ガメの放流をお手伝いできることも。小さな寄付でウミガメ保護の支援にも繋がるでしょう。夕方ホテルへ戻り、最後の夜はリゾートで南国の夜風を感じながら寛ぎます。
朝はホテルでゆっくり朝食を楽しみます。南国フルーツやセイロン紅茶ともお別れです。チェックアウト後、専用車で空港へ向かいます(ゴールから空港まで高速利用で約2.5時間)。
途中、コロンボ近郊のコスゴダのウミガメ保護センターに立ち寄ることも可能です(前日行けなかった場合など)。旅の最後にもう一度インド洋を眺め、スリランカの風を感じてください。夕方、空港発の便で日本へ。青い海と笑顔にあふれた南部での思い出を胸に帰路につきます。
宿泊ホテル候補
南部海岸エリアでの滞在となるため、ゴールまたは周辺ビーチリゾートのホテルに連泊します。
高級ホテルのおすすめは、ゴール郊外の「ジェットウィング・ライトハウス」です。







インド洋を見下ろす小高い丘に建ち、天才建築家ジェフリー・バワが設計したスリランカ屈指の名リゾートとして知られます。
眼前に広がる海と建物が一体化したような開放感は、バワが目指した「自然と建築の融合」の極みで、彼の晩年の最高傑作とも称されるホテルです。
オレンジ色の屋根瓦に白い灯台風のデザインなど、ゴールの要塞都市の要素を取り入れた意匠も見事です。ミドルクラスの宿ならヒッカドゥワの「Hikka Tranz by Cinnamon」がカジュアルで人気です。
全室オーシャンビューの4つ星ホテルで、サーフスポットのナリガマビーチと珊瑚のヒッカドゥワビーチの双方にすぐ出られる立地にあります。敷地内にPADI公認ダイビングセンターも併設され、マリンスポーツを満喫したい方に最適です。
1人あたりの概算費用
費用項目 | ローシーズン (モンスーン期) | ハイシーズン (乾季) |
---|---|---|
航空券(往復) | 約70,000円 | 約130,000円 |
宿泊(南部リゾート3泊) | 約40,000円 | 約70,000円 |
専用車チャーター(3泊4日) | 59,000円(1人で利用) 29,500円(2人で利用) 24,000円(3人でVANを利用) 18,000円(4人でVANを利用) | 59,000円(1人で利用) 29,500円(2人で利用) 24,000円(3人でVANを利用) 18,000円(4人でVANを利用) |
観光・食事・雑費 | 約15,000円 | 約20,000円 |
合計 | 約14.5万円約18.5万円 | 約24万円〜約28万円 |
※ホエールウォッチングは1人あたり約6,000~8,000円(現地英語ツアー利用)程度です。ウミガメ保護施設は入場料ではなく任意の寄付制で、目安として数百~1,000円程度を寄付すると良いでしょう。ハイシーズン(11~4月)は欧米からのビーチリゾート客でホテル料金が大幅に上がるため、旅費も高めになります。
4. 紅茶の名産地ヌワラエリヤ訪問プラン ~高原避暑地で優雅に滞在~
スリランカといえば世界的に有名なセイロンティー(紅茶)。



その主要生産地である標高約1,800mの高原都市ヌワラエリヤを訪ね、紅茶畑に囲まれた英国風リゾートを満喫するプランです。



雄大な山岳景観やティープランテーション見学、由緒あるホテルでのアフタヌーンティーなど、涼しい避暑地で優雅なひとときを過ごします。
道中でキャンディにも立ち寄り、山岳部ならではの絶景列車や滝などの自然も楽しめる盛り込んだ内容です。
旅程(モデルコース)
成田を午前に出発し夕方コロンボ着。到着後、山岳地帯の玄関口キャンディへ専用車で直行します(空港から約3時間)。夜8時頃キャンディ市内のホテルに到着。
この日は移動で終わりますが、途中サービスエリアで名物のスパイスカシューナッツを買い食べしたり、星空を眺めたりとドライブを楽しみましょう。
キャンディは標高500mほどの高地にあり夜はやや涼しくなります。ホテルにチェックインしたら早めに休み、翌日に備えます。
朝食後、キャンディ市内を少し観光します。朝の涼しいうちに仏歯寺を訪問し(前プランで述べたので詳細割愛)、キャンディ市場で紅茶やスパイスを物色しても良いでしょう。
その後、9時頃キャンディを出発しヌワラエリヤへ山岳道路を登っていきます(距離約75km、所要2.5~3時間)。



途中、標高が上がるにつれ道路沿いに茶畑が増えていきます。



この区間を高原列車で車窓からの景色を満喫するのも一興ですね!タクシーチャーターでキャンディ駅まで送迎してもらい、ヌワラエリヤのナヌオヤ駅でピックアップしてもらえばスムーズですね!


窓から手が届きそうな茶畑や谷間の滝、霧に煙る森など変化に富んだ風景を満喫できます。列車の風と共に高原を駆け抜ける体験は格別です(※切符は当日駅で購入可。時間帯によっては混雑するので要注意)。
タクシーチャーターの車で行く場合は道中の見どころとして、キャンディ~ヌワラ間の幹線道路沿いにある名瀑ランボダの滝に立ち寄りましょう。高さ約109mを三段に落ちる姿は圧巻で、島内でも指折りの景勝地です。
展望台から写真を撮ったら、近くの紅茶工場兼ティーショップ(例:ブルーフィールド茶園など)で休憩します。紅茶畑が広がる中に建つ茶工場で、製茶工程の見学ツアーに参加しましょう。



茶葉の萎凋から揉捻、発酵、乾燥、選別までの流れをガイドが説明してくれます。出来立ての紅茶の試飲もでき、ショップでは産地限定のフレッシュな紅茶葉を購入可能です。
紅茶好きならばこの寄り道は外せません。見学後、さらに山道を登り標高1,884mのヌワラエリヤ町へ到着(13時頃)。気温は昼間でも20℃前後と爽やかで、日本の初夏のような気候です。



街に入ったらまず老舗ホテルでアフタヌーンティーランチはいかがでしょう。グランドホテルのティーラウンジでは、英国風の三段トレイに盛られたスコーンやサンドイッチを、庭園を眺めながら楽しめます。
紅茶の香りとともに優雅な時間を過ごした後、ホテルにチェックイン。午後はヌワラエリヤ市内観光へ出かけます。
標高約1,868mのヌワラエリヤはその涼しい気候から「リトル・イングランド」と呼ばれ、19世紀英国人たちが避暑地として開発した経緯があります。
街には英国調の建物が多く残り、例えばチューダー様式のヒルクラブや赤レンガの郵便局、ビクトリア公園などが点在します。カラフルな競走馬の像が目印のヌワラエリヤ競馬場も有名です。
湖畔のグレゴリー湖では白鳥型の足こぎボートに乗ったり、乗馬体験もできます。高原野菜市場では新鮮な人参やイチゴなども並び、歩いているとヨーロッパの田舎町に迷い込んだような雰囲気です。
夕刻、山々に霧が立ち込め始めたらホテルへ戻りましょう。夜は暖炉のあるラウンジで紅茶や地元ビールを楽しみつつ、静かな高原の夜を満喫します。
朝食後、この日は終日ヌワラエリヤ周辺で過ごします。朝から紅茶畑の中をハイキングしてみましょう。ホテルでお弁当を用意してもらい、郊外の茶園エリアへ。



遮るもののない丘陵地帯に碧色の絨毯のように広がる茶畑、その中に点在する紅茶工場の白い建物――まさに絵葉書のような景色です。
茶摘みをするタミル人女性に出会ったら写真を撮らせてもらい(チップを渡せば喜ばれます)、一緒に映える一枚をどうぞ。茶畑から眺める遠くの山並みも壮麗で、高原の澄んだ空気に心が洗われるようです。


午後はホテルでゆっくり過ごすのも良いでしょう。ヌワラエリヤにはゴルフ場や乗馬クラブ、いちご農園、乳牛の放牧場(アンベウェラ酪農場)などもあり、興味に応じて訪問可能です。夕方、もう一度お気に入りの紅茶を味わいながら、名残を惜しみつつ荷造りをします。
ホテルで最後の朝を迎えます。青空なら遠く聳えるスリランカ最高峰ピドゥトゥラガラ山(標高2,524m)も望めるでしょう。専用車は朝8~9時頃に出発し、一路コロンボ空港へ向かいます(山道を降り、高速経由で約5~6時間)。


道中、休憩がてらキトゥルガラ辺りでランチを取りましょう。キトゥルガラは白亜紀の植物が生い茂る熱帯雨林とケラニ川の渓谷が美しい場所で、映画『戦場にかける橋』のロケ地としても有名です。
時間があればラフティングなどもできますが、今回は眺めを楽しむ程度に留めておきます。午後、平地に降りてくると気温がぐっと上がり蒸し暑さが戻ってきます。16時頃に空港着。
長距離ドライブを安全運転で支えてくれたドライバーに感謝を伝えて別れます。コロンボ発の夜便に搭乗し、日本へ帰国します。
宿泊ホテル候補
キャンディ1泊・ヌワラエリヤ2泊の行程です。
特に2泊するヌワラエリヤではホテル選びが旅の満足度を左右します。高級ホテルに泊まるなら茶畑の中に佇む「ヘリタンス・ティー・ファクトリー」がユニークです。







古い紅茶工場を改装した宿泊施設で、館内には当時使われていた茶葉ローラーや柱梁がそのまま残され産業遺産の趣きがあります。
客室はクラシカルな雰囲気ながら快適で、敷地内で紅茶摘み体験や茶葉を使った料理教室などアクティビティも豊富です。紅茶工場さながらの館内で頂くアフタヌーンティーは格別でしょう。
ミドルクラスのおすすめは英国調の「ジェットウィング・セントアンドリュース」です。イギリス統治時代の総督邸を思わせる落ち着いたコロニアル風ホテルで、手入れの行き届いた庭園や暖炉のあるラウンジなど古き良き雰囲気があります。
標高1884mの高原リゾートで5つ星の贅沢な滞在を提供しており(客室数は少なめ)、紅茶の本場らしく優雅なハイティーも評判です。町の中心に位置し主要観光スポットにも近いため、高原の空気を感じながら散策する拠点として最適でしょう。
1人あたりの概算費用
費用項目 | ローシーズン (雨季) | ハイシーズン (乾季) |
---|---|---|
航空券(往復) | 約70,000円 | 約130,000円 |
宿泊(キャンディ1泊+ヌワラ2泊) | 約30,000円 | 約50,000円 |
専用車チャーター(3泊4日) | 59,000円(1人で利用) 29,500円(2人で利用) 24,000円(3人でVANを利用) 18,000円(4人でVANを利用) | 59,000円(1人で利用) 29,500円(2人で利用) 24,000円(3人でVANを利用) 18,000円(4人でVANを利用) |
観光・食事・雑費 | 約15,000円 | 約15,000円 |
合計 | 約13.5万円〜約17.5万円 | 約21.5万円〜約25.5万円 |
※ヌワラエリヤの宿泊費はオフシーズンは比較的安価ですが、紅茶の収穫期や4月のシンハラ・タミル正月(現地連休)の時期は料金が上がる傾向があります。山岳部への専用車移動費は距離に比例するため若干高めですが、鉄道移動を組み合わせることで節約可能です。ただし鉄道は本数や時間が限られるため、短期旅行では専用車の柔軟さがメリットとなります。
まとめ
以上、スリランカ3泊4日のモデルコース4選をご紹介しました。スリランカは 1週間でも1ヶ月でも充実できる といわれるほど見どころ豊富ですが、短い休みでも工夫次第でこれだけ多彩な体験が可能です。仏教文化に触れる世界遺産巡り、アーユルヴェーダで心身を癒す滞在、南国ビーチでの海の冒険、高原で味わう芳醇な紅茶――どのプランもこの島ならではの魅力に溢れています。
初めて訪れる方はまず文化遺産+サファリプランで定番スポットを押さえると全体像を掴みやすいでしょう。リピーターや特定の目的がある方は、思い切ってテーマを絞った旅に挑戦してみてください。例えば**「世界遺産とアーユルヴェーダ満喫7日間」**など組み合わせ次第で可能性は無限大です。ぜひ本記事のモデルコースをアレンジし、自分だけの旅程を作るヒントにしていただければ幸いです。
スリランカは政治的にも安定しており人々も親切で、適切な注意を払えば女性の一人旅でも安心して過ごせる国です。2025年現在、日本人観光客向けのビザ費用無料措置や円安に伴う現地物価の割安感もあり、訪れやすい状況となっています。ぜひ次の休日は「インド洋の真珠」スリランカで、忘れられない3泊4日を過ごしてみませんか?✨
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