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インド洋の真珠!スリランカってどんな国?日本との文化の違いや魅力を徹底解説

スリランカってどんな国?

南アジアに浮かぶ小さな島国、スリランカ。紅茶やスパイシーなカレーで名前を聞いたことはあっても、「実際スリランカってどんな国?」と気になる方も多いのではないでしょうか。

Dilshan

実はスリランカは「インド洋の真珠」と呼ばれるほど美しい自然と独自の文化に彩られた国なんです。

さらに、1951年のサンフランシスコ講和会議では当時セイロン代表だったジャヤワルダナ氏が「怨みは怨みによって止まず、ただ愛によって止む」という仏陀の言葉を引用し、日本への賠償請求権を放棄して各国に寛大な対応を呼びかけました。

ゆき

この有名な演説のおかげで日本は国際社会復帰の後押しを得ており、スリランカは知る人ぞ知る親日国でもあります。

本記事では、そんなスリランカの基本情報から日本との文化の違い、観光の見どころまでまるごと解説します。初めての海外旅行でも安心して楽しめる魅力満載のスリランカを、一緒に探ってみましょう!

目次

スリランカの基本情報:まずは知っておきたいポイント

まずはスリランカという国について、基本的な情報を整理してみましょう。

スリランカはどこにあるの?

スリランカはインド亜大陸の南東沖に位置する熱帯の島国です。

インドの先端からわずか数十キロしか離れておらず、その島の形は「インド半島の涙のしずく」とも表現されます。

スリランカの位置

国土の面積は約65,610平方キロメートルで、北海道の約0.8倍ほどの大きさです。

一年中温暖なモンスーン気候に属し、緑豊かな自然に恵まれています。「インド洋の真珠」という呼び名にふさわしい、海と山の美しい風景が広がる南国の楽園です。

国の規模と人口はどれくらい?

国土は北海道よりやや小さいですが、人口は約2,200万人に達します。

Dilshan

これは日本の人口のおよそ6分の1にあたります。小さな島国にこれだけ多くの人々が暮らしており、世界遺産が8か所も存在するのがスリランカの特徴です。

スリランカの世界遺産
スリランカの世界遺産

面積あたりの世界遺産数は驚くほどで、古代都市の遺跡から壮麗な寺院、欧州風の要塞都市まで多彩な歴史遺産がぎゅっと詰まっています。

主要な民族構成は、シンハラ人がおよそ全人口の75%、タミル人が15%前後、そしてアラブ系イスラム教徒のムーア人が約9%となっています。

スリランカの民族構成

このように多民族国家であり、文化的にも非常に多様です。また宗教面では約70%が仏教徒で、他にヒンドゥー教(主にタミル人)、イスラム教、キリスト教も信仰されています。仏教国として知られていますが、様々な宗教が共存し融合した社会でもあります。

首都はどこ?コロンボじゃないの?

スリランカの行政上の首都は「スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ」という長い名前の都市です。

スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ

1985年にコロンボ郊外にあるこの街へ首都機能が移転され、国会議事堂も置かれています。ただし政府機関の多くはいまだに旧首都コロンボに残っており、実質的には最大都市コロンボが政治・経済の中枢となっています。

旅行者にとってもコロンボが玄関口で、国際空港もコロンボ近郊に位置します。そのため「首都=コロンボ」と思われがちですが、正式にはコッテが首都と覚えておくと良いでしょう。

言語は何語?日本語は通じるの?

スリランカの公用語はシンハラ語とタミル語の2つです。

多数派であるシンハラ人はシンハラ語を、少数派のタミル人は主に北部や東部でタミル語を使用します。また、英語も“連結言語”として定められており、民族間の共通語かつ行政・教育にも広く用いられています。

都市部や観光地では英語が通じる場面が多く、ホテルやレストランのスタッフも大抵は英語対応可能です。つまり旅行者であれば英語でほぼ不自由なくコミュニケーションできるでしょう。

一方、日本語は原則ほとんど通じません。ガイドの中には日本語を話せる人もいますが、一般には看板やメニューも含め英語表記が主流です。

ただ、現地の人々はとても親切なので、簡単な英単語やジェスチャーでも一生懸命理解しようとしてくれます。

ゆき

旅の前にシンハラ語で「こんにちは」にあたる「アーユボーワン!」や、タミル語で「ワナッカン!」といった挨拶の言葉を覚えていくと歓迎されるかもしれませんよ。

人々の気質と治安は?

スリランカの人々は総じて穏やかでフレンドリーだと言われます。

初対面でもにこやかに話しかけてくれる社交的な国民性で、旅行者にもオープンに接してくれる温かさがあります。日本人と同じく礼儀正しく真面目な一面も持ち合わせていますが、細かいことにせかせかせず陽気でおおらか。

Dilshan

時間の流れもゆったりしており、約束の時間に多少遅れるのは日常茶飯事です(「スリランカ・タイム」なんて冗談もあるほど)。

その分、人生を楽しむ余裕があり、困っている人がいれば放っておけない優しさも持っています。こうした親切でホスピタリティ精神あふれる国民性のおかげで、日本人旅行者にとっても居心地の良い雰囲気と言えるでしょう。

気になる治安ですが、基本的にスリランカは東南アジア諸国と比べても比較的安定しており、安全に観光しやすい国です。長年続いた内戦も2009年に終結し、現在は島内どこへでも自由に旅行できます。

ただ他の国と同様にスリや置き引きなどの軽犯罪は皆無ではありません。特に観光客狙いの宝石の押し売り詐欺や、昼間の繁華街でのスリ被害などには注意が必要です。

女性旅行者は露出の高い服装や夜間の一人歩きを避けるなど、基本的な自衛策を取れば過度に心配する必要はないでしょう。またスリランカ人は親日的とも言われ、日本人には友好的に接してくれる人が多い印象です。

実際、日本人旅行者に現地で会話すると「日本が大好きだよ!」と言ってもらえたという声もよく聞かれます。もちろん油断は禁物ですが、概ね初心者にも安心して旅しやすい国といえます。

スリランカと日本の数値比較

スリランカと日本の基礎データを比べると、以下のようになります。

項目スリランカ日本
人口約2,200万人約1億2,400万人
面積65,610 km²(北海道の約0.8倍)377,975 km²
公用語シンハラ語、タミル語(英語も広く通用)日本語
宗教仏教(約70%)、ヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教神道・仏教(実質無宗教が多数)
一人当たりGDP約4,000 USD(米ドル)約39,000 USD
平均寿命約78歳約84歳
主要産業農業(茶・ゴム・ココナッツ等)
繊維・アパレル、観光
製造業(自動車・電子機器等)
サービス業、観光
通貨スリランカ・ルピー(LKR)日本円(JPY)
物価水準日本の約1/3以下(食費・交通費は特に安い)

※GDPは名目値、その他データは概算です

こうして見ると、経済規模から生活水準まで日本とのギャップは大きいですね。ただ、それこそ異文化体験の醍醐味でもあります。続いて、そんな日本とスリランカの文化の違いをもう少し具体的に見てみましょう。

日本とスリランカの文化の違いあれこれ

海外旅行に行くなら、その国と日本との文化の違いも気になりますよね。スリランカには日本とは異なる習慣や価値観がたくさんあります。でも心配はいりません。

Dilshan

それらの違いは最初戸惑うかもしれませんが、理解すれば旅の面白さを何倍にもしてくれるポイントです!

ここでは日本とスリランカの主な文化の違いをいくつかご紹介します。

宗教観・価値観の違い

日本人は普段あまり宗教を意識せず寛容だと言われますが、スリランカでは仏教が社会に深く根付いて精神文化の柱となっています。街の至る所にお堂や仏像があり、人々は毎日敬虔にお祈りを捧げます。

スリランカと仏教

例えば毎月の満月日は「ポヤ・デー」と呼ばれる仏教の祝日で、この日はアルコール類の販売が法律で禁止されます(観光客向けのホテルでも表向き売られません)。

それだけ生活と宗教行事が密接ということですね。ただしスリランカの人々は他宗教にも寛容で、押し付けがましさは感じません。同じ仏教国ではありますが、信仰の熱心さの度合いが日本とはかなり異なる印象を受けるでしょう。

人々の気質とホスピタリティ

Dilshan

日本人は礼儀正しく控えめと言われますが、スリランカ人も穏やかで優しい人柄です。

ゆき

ただし初対面でもフレンドリーに陽気に話しかけてくる社交的な面があり、その距離の近さに驚くかもしれません。

時間にもおおらかで、日本のように何事も厳密に時間通り…とはいきません。約束の時間に多少遅れるのは日常茶飯事で、「スリランカ・タイム」という言葉があるほどゆったりしています。

逆に言えば細かいことで急かずリラックスして人生を楽しむ余裕があるとも言えますね。また「おもてなし」の心はスリランカ人も強く、旅人にもとても親切に接してくれます。

日本人が恐縮してしまうほど手厚くもてなしてくれる場面も多いでしょう。そのため現地では困ったことがあれば遠慮せず周囲の人に助けを求めてみてください。きっと笑顔で力になってくれるはずです。

食文化の違い

食事マナーや味付けにも大きな違いがあります。日本では箸を使って一汁三菜のように頂きますが、スリランカでは手で食べる習慣があります。

右手の指先を器用に使ってカレーとお米を混ぜ、一口大に丸めて食べるスタイルです(※左手は不浄の手とされ食事には使いません)。初めは戸惑うかもしれませんが、慣れるとなかなか楽しいものですよ。

料理の味付けも日本とはかなり異なります。スリランカ料理はとにかく香辛料をたっぷり使ったとてもスパイシーなカレーが主役です。唐辛子の辛みが強烈で、普段マイルドな日本のカレーに慣れた人には「激辛すぎる!」と感じるレベルかもしれません。

でもココナッツミルクのコクや様々なスパイスの調和が癖になる美味しさで、一度ハマるとやみつきになるでしょう。副菜としてレンズ豆のスープ「パリップ」や炒め物「マッルン」なども一皿に盛り合わせ、混ぜながら食べるのが一般的です。

さらに世界有数の紅茶産地でもあるスリランカでは、食後に本場のセイロンティーを味わうのも楽しみですね。トロピカルフルーツや新鮮なシーフードも豊富なので、日本では出会えない南国グルメを満喫できます。

生活習慣・マナーの違い

Dilshan

日常の所作にも細かな違いがあります。例えば挨拶ひとつ取っても、スリランカでは伝統的なスタイルとして両手のひらを胸の前で合わせ「アーユボーワン(長寿を)」と言ってお辞儀する方法があります。

これは相手の長寿を祈る意味で、日本で言う合掌とお辞儀を合わせたような丁寧な挨拶です(カジュアルな場では握手や「ハロー」の声かけだけのことも多いです)。

ゆき

また仏教国らしく年長者や僧侶を敬う習慣も根付いており、バスや電車ではお坊さんに席を譲るのが当然とされています。公共の場で僧侶を見かけたら、日本人もぜひ席を譲ってみてくださいね。

面白いジェスチャーの違いとしては、スリランカでは首を横に振ると「Yes(はい)」、縦に振ると「No(いいえ)」を意味する場合がある点です。

インド周辺では一般的なこの「首振り」の仕草、初めは戸惑いますが、現地では「首をかしげるように左右に振る=同意・了承」のサインとして使われます。

会話中に相手がニコニコしながら首を横に振っていたら、それは否定ではなく「わかりました」「いいね!」というポジティブなリアクションかもしれません。慣れないうちは混乱しますが、表情や文脈と合わせて理解できるようになるでしょう。こうした細かな違いも旅の醍醐味ですから、驚きつつも楽しんでみてください。

娯楽・スポーツの違い

日本では野球やサッカーが人気スポーツですが、スリランカで圧倒的に国民的人気を誇るのはクリケットです。イギリス由来の球技で、スリランカでは老若男女問わず熱狂的に楽しまれています。

スリランカのクリケット

町中の空き地や公園でも子どもたちがプラスチックのバットとテニスボールでクリケットに興じている光景をよく目にします。

ちなみにスリランカの国技はバレーボールですが、正直あまり一般には浸透しておらず、専らクリケットがスポーツ文化の中心と言えます。

Dilshan

機会があれば、公園で遊んでいる子どもたちに混ぜてもらって一緒にクリケットを体験してみるのも一興ですよ(本気でボールを投げてくるのでびっくりするかもしれませんが!)。

また娯楽として、スリランカの人々は音楽やダンスが好きで、結婚式などでは伝統舞踊や太鼓の演奏が華やかに行われます。宝くじや宝石集めなども庶民の楽しみの一つです。

キャンディダンス

テレビではインドや韓国のドラマが人気だったりと、日本とはまた違ったエンターテインメント事情を見るのも興味深いでしょう。

スリランカの魅力:絶景と世界遺産から感じる“奇跡の島”の姿

多彩な文化遺産と豊かな自然は、スリランカ最大の魅力です。小さな島ながら世界遺産に8件も登録されており、その充実ぶりから「奇跡の島」と称されることもあります。代表的な見どころを少し紹介しましょう。

まず外せないのが「文化三角地帯」と呼ばれる北中部のエリアです。5世紀の空中宮殿跡であるシギリヤ・ロック(シーギリヤ)や、ブッダの歯を祀る仏歯寺がある古都キャンディー、広大な遺跡群が残るポロンナルワやアヌラーダプラなど、古代王朝の遺産が点在しています。

文化三角地帯

これらはすべて世界文化遺産に指定されており、スリランカの長い仏教文明の歴史を物語っています。特にシギリヤ・ロックの頂上から眺める360度のジャングルの景色は圧巻で、一生に一度は見たい絶景として有名です。

シーギリヤロックの頂上からの景色

一方、南部の海岸エリアではゴール旧市街と要塞(世界遺産)も見逃せません。ポルトガル・オランダ統治時代の面影を残す可愛らしい街並みと、大西洋貿易の歴史を感じることができます。

ゴール市街

列車で行ける高原地帯ヌワラエリヤやエラ周辺には、緑輝く紅茶畑が広がり、トンネルと高架橋を抜ける山岳鉄道の旅は観光のハイライトです。紅茶列車として親しまれています。標高2,000m級の高原都市では英国風の避暑地の雰囲気も味わえ、まるで別世界のような爽やかさですよ。

紅茶列車

さらに忘れてはならないのがスリランカの豊かな自然です。国土の約10%が国立公園に指定されており、野生動物の宝庫としても知られます。南東部のヤーラ国立公園やウィルパットゥ国立公園では、野生のゾウやヒョウ、クマなどにジープサファリで出会うことができます。

大群で水辺に集うゾウや、運が良ければ木陰で休むヒョウの姿は迫力満点です。また西部のピンナワラでは象の孤児院があり、保護された象たちがお散歩したり水浴びする光景を間近に見ることができます。

ミンネリヤ国立公園のエレファントギャザリング

ビーチリゾートもスリランカの魅力です。南海岸や東海岸には白砂の美しいビーチが点在し、年間を通じてサーフィンやダイビングが楽しめます。

中でもヒッカドゥワやアルガンベイといったスポットはサーファーに人気ですし、ミリッサでは12月~4月にかけてクジラウォッチングのツアーも催行されています。夕日がインド洋に沈む光景は感動的で、リゾートホテルでのんびり過ごすのも良いでしょう。

ホエールウォッチング

そしてスリランカと言えばやはり紅茶(セイロンティー)。高原地帯にはいくつもの紅茶工場があり、見学ツアーで茶葉の製造過程を学んだり試飲をしたりできます。茶畑のテラスで味わう淹れたてのスリランカ紅茶は格別で、お土産にも最適です。

このように数え切れない魅力が詰まったスリランカは、近年世界的にも注目を集める旅行先となっています。2019年には旅行ガイドブック「ロンリープラネット」の「訪れるべき国」ランキングで世界第1位に選出されました。

Dilshan

また2025年には旅行誌コンデナスト・トラベラーによって「家族旅行に最も適した国」世界第1位にも輝いています。後者では「歓迎してくれる文化」「アウトドアアクティビティの充実」「家族向けのホテル環境」が高く評価されました。

実際、スリランカには国立公園やビーチリゾートなど子連れでも楽しめるスポットが多く、人々も子どもに優しいためファミリー旅行でも安心です。

このような国際的評価も追い風となり、コロナ前からスリランカ観光は急成長を遂げていました。現在も燃料事情の改善や経済の安定化により観光業は回復傾向で、日本からの旅行者も増えています。

総じてスリランカは「小さな島に大きな魅力が凝縮した国」です。仏教国ならではの落ち着いた空気と人々の温かさ、そして手頃な物価もあって、日本人にとって旅しやすい要素が揃っています。初めての海外旅行先としても十分に選ぶ価値があるでしょう。ぜひ実際に訪れて、自分の目でこの“インド洋の真珠”の輝きを確かめてみてください。

まとめ:スリランカはこんな国

  • 南アジアの小さな島国:インド南東沖に浮かぶ熱帯の島で、面積は北海道の約0.8倍、人口は約2,200万人です。
  • 多民族・多宗教社会:シンハラ人・タミル人を中心に多様な民族が暮らし、仏教を主としつつヒンドゥー、イスラム、キリスト教など複数の宗教が共存しています。
  • 仏教文化と親日国民:人口の7割以上が仏教徒で信仰心が篤く、寺院や仏像が生活に密着しています。他宗教にも寛容で、歴史的経緯から親日的な人が多いのも特徴です。
  • 穏やかでホスピタリティ精神旺盛:国民性は穏やかで陽気、初対面の旅行者にも笑顔で接してくれます。時間におおらかですが、その分人生を楽しむ余裕があり、助け合いの精神に富んでいます。
  • 英語OKで比較的安全:公用語以外に英語が広く通じ、外国人旅行者もコミュニケーションは容易です。治安も安定しており、基本的な注意をすれば初心者でも安心して旅行可能な国と言えます。
  • 食と習慣のギャップも楽しい:手で食べるほどスパイシーなカレー料理、挨拶やジェスチャーなど日本との違いが多々あります。それらも含めて異文化体験を存分に楽しめます。
  • 魅力あふれる観光資源8つの世界遺産を有し、古代遺跡や仏教寺院、美しい高原の茶畑からビーチリゾート、サファリまで見どころ満載。「インド洋の真珠」と称される豊かな自然と文化があなたを待っています。

ぜひスリランカを訪れて、その魅力を肌で感じてみてください。きっと一生の思い出に残る素敵な体験ができるはずです。

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