南アジアの島国スリランカ。魅力あふれる観光地が点在するこの国を旅する際、移動手段に悩む方も多いでしょう。

そんな中、「日本でおなじみのUberがスリランカでも使えるって本当?」という声を耳にします。



実はスリランカでもUber(ウーバー)を利用可能です。スマホひとつでタクシーを呼べる手軽さは旅行者にとって心強い味方になるでしょう。
しかし、長距離の観光移動にUberをそのまま使うのは要注意!
主要都市以外では車が捕まらなかったり、予期せぬトラブルに巻き込まれたりするケースもあるのです。
そこで本記事では、スリランカにおけるUberの実態と利点・欠点を徹底解説し、長距離の周遊に適しているのかを解説していきます。これからスリランカ旅行を計画している方はぜひ参考にしてください。


スリランカでもUberは利用可能!その普及状況とは
まず結論からいうと、スリランカでもUberは利用できます。



Uberは2015年にコロンボでサービス開始後、年々エリアを拡大し、現在ではコロンボ、キャンディ、ゴールなど主要都市はもちろん地方都市でも利用可能です。
現地旅行者の報告でも「ガイドブックでは“大都市のみ”と書かれていたが意外と地方都市でもUberを使えた」との声があり、実際スリランカ全土で200万人以上の利用者がいるデータもあります。それだけ配車アプリがスリランカに浸透している証拠でしょう。



さらにスリランカで利用できるUberのサービスには様々な種類があります。
一般的な4人乗りセダンの Uber Zip(旧称uberX)、ワンランク上の快適車両 Uber Premier、安価なバイクタクシー Uber Moto などに加え、都市間移動専用の Uber Intercity という長距離向けプランも提供されています。
例えばIntercityではSUVの「XL Intercity」やセダンの「Sedan Intercity」といった車種を選べ、長距離移動に対応した料金設定になっています。用途に応じて適切なタイプを選べるのは旅行者にとって嬉しいポイントですね。
なお、スリランカにはUber以外にも現地発の配車アプリ「PickMe(ピックミー)」があります。いわばスリランカ版Uberとも言える存在で、タクシーだけでなくトゥクトゥク(三輪タクシー)も呼べるため地元の人に大人気です。


料金は状況によってUberより安い場合もあり、現地の人はUberとPickMeを使い比べて安い方を選ぶこともあります。ただしPickMeはアプリ登録に現地の電話番号が必要です。
一方、Uberなら日本で使っているアカウントのまま利用できる手軽さがあるため、短期旅行者にはUberの方が馴染みやすいでしょう。まずは旅の序盤でUberを試し、必要に応じて現地SIM取得後にPickMeも併用するといった形がおすすめです。
Uberのメリット:安くて簡単、異国でも安心
知らない土地でタクシーを捕まえるのは不安がつきものですが、Uberには旅行者にとって嬉しいメリットがたくさんあります。



ここではスリランカにおけるUber利用の主な利点を見てみましょう。
ここではスリランカにおけるUber利用の主な利点を見てみましょう。
料金が明瞭で割安
スリランカのUberは料金設定が割安で、距離によってはローカルのトゥクトゥクより安い運賃になることもあります。



アプリに表示された見積もり通りの定額制なので、乗車後に法外な「観光客価格」をふっかけられる心配もありません。
特に4km以上の移動では、小型車のUber(Uber Zipなど)の方がトゥクトゥクより安くなる傾向があり、長距離でもお得感があります。
アプリ操作だけで手配完了
地図上でピンを指定し、現在地と行き先を入力するだけで近くのドライバーへ一斉リクエストが飛びます。
現地語で行き先を説明する必要がなく、語学に自信がなくても目的地まで連れて行ってもらえる手軽さがあります。


あらかじめアプリに登録した行き先はドライバーのナビにも表示されるため、乗車後も道案内いらずで安心です。
また配車前から車の現在位置と到着予想時間がリアルタイム表示されるので、「ちゃんと来てくれるかな…」という不安も少なく待てます。初めての土地でも、Uberならスマホひとつで完結するお手軽さが心強いですね。
安全面での信頼感
Uberでは乗客・ドライバーともに事前登録制で、双方の身元や乗車履歴がシステムに記録されています。



乗車前に車両ナンバーやドライバー名がわかり、走行ルートもGPS追跡されているため、流しのタクシーより圧倒的に安心です。
万一トラブルがあっても乗車中の位置情報共有機能で第三者に現在位置を共有でき、降車後はアプリから評価・フィードバックを送ることもできます。
さらにアプリ決済なら現金不要なので金銭トラブルの心配も減り、防犯上もメリットと言えるでしょう。実際スリランカのUberアプリでは現金払いとカード払いが選択可能で、クレジットカードを登録しておけばタクシー代を都度現金用意する手間も省けます。
英語が苦手でも大丈夫
現地ドライバーの中には英語があまり話せない人もいます。しかしUberなら行き先もアプリ上で共有済みなので基本的に会話不要で移動できます。
配車直後に念のため「Hello」「I’m at ___(待ち合わせ場所)」程度を伝える電話が来ることもありますが、そのひと声さえクリアすれば後は問題ありません。
むしろこちらが目的地の名前を伝えられなくても、アプリに表示された目的地通り進んでくれるので言葉のハードルが低いのは観光客にとって大きな助けになります。海外旅行初心者でもUberなら気軽に利用できるでしょう。
以上のように、Uberは料金・手配の簡便さ・安全性・言語面で多くの利点があります。特に初めてのスリランカ旅行では強い味方になってくれるサービスと言えます。
Uber利用時のデメリット・注意点
便利なUberですが、一方でスリランカならではの不便さや注意点も存在します。知らずにいると戸惑うケースもあるので、事前に押さえておきましょう。
郊外では車がつかまらない
アプリ地図上に近く車両が表示されていても、郊外や山間部ではリクエストに応答がない場合があります。
登録ドライバー自体が少ない地域では、何度リクエストしても誰も来ない…なんてことも起こり得ます。
また場所によっては「ピックアップ地点まで遠すぎる」「降ろした後に戻るのが大変」とドライバーが判断し、依頼を受けてくれないケースもあります。



利用可能エリア内でも場所によっては車が全然来ないことがある点には注意が必要です。



観光地の中には郊外のエリアも数多く存在します。旅程を遂行するのにUBERだけでは厳しいと思います。
以下もご覧いただければと思います。


ドライバー都合のキャンセル
スリランカのUberではドライバー側から一方的にキャンセルされる場面にしばしば遭遇します。
特に多いのが、マッチング直後に運転手から電話がかかってきて「支払いは現金かカードか?」と確認され、「カード支払い予定」と答えるとキャンセルされてしまうケースです。



背景には、カード決済だと運転手への入金サイクルが週単位で遅れたり手数料が引かれたりする事情があり、日銭が必要なドライバーほどカード払いを嫌がる傾向があります。



特にトゥクトゥクのドライバーは毎日の収入で燃料代等を賄っているため現金払いを好む人が多いようです。
対策として、Uberアプリの支払方法は初期設定で「現金(Cash)」にしておくのがおすすめです。現金払いならマッチング後のキャンセル率がぐっと下がり、スムーズに乗車できるでしょう。
通信環境と現地SIM



Uber利用には現地でのインターネット接続が不可欠です。
またマッチング後にドライバーから電話連絡が来る場合も多いため、通話可能なローカルSIMを用意した方が安全です。空港到着時にデータ通信専用でなく通話付きのプリペイドSIMを入手しておくと安心でしょう。
国際ローミングでも利用できますが、着信に出られないとキャンセルされる恐れがあります。移動中も常に通信できる環境を整えておきましょう。
待ち時間と料金変動
表示される到着予想時間はあくまで目安で、実際はその倍以上かかることもあります。
特に朝夕ラッシュやスコールによる洪水で渋滞がひどい時は、いつまでも車が捕まらなかったり「あと5分」の表示から進まなかったりすることも…。



またUberは需要が高まると料金が割増になるサージプライシング(割増料金)制度を採用しており、ピーク時には普段の数倍の料金になる場合があります。
市内移動でも渋滞で時間がかかる通勤時間帯は料金が跳ね上がることがあり、時間帯によっては割高になる点に注意しましょう。
ドライバーの質にばらつき
Uberドライバーの多くはプロ意識を持って丁寧に対応してくれますが、中にはマナーの良くない運転手に当たることもあります。



ごく稀な例ですが、「カード払いだと手数料を取られるから困る!」と怒鳴られた…なんて体験談もあるようです。


万一トラブルに遭った場合は、降車後にアプリから評価・フィードバックを送りましょう。Uberには24時間対応のサポートもあるため、問題が大きい場合はサポートに報告すれば適切に対処してくれます。
このように不便な点もありますが、「支払いは現金に設定」「連絡可能な電話環境を用意」といった対策で多くはスムーズに利用できます。初めての土地で流しのタクシーを拾うリスクを減らせるという点で、総じてUberは観光客の強い味方と言えるでしょう。
スリランカでUberを長距離移動に使うのはアリ?ナシ?



「空港からそのまま遠方の観光地までUberで行けたら楽なのに」…そう考える旅行者も多いでしょう。
スリランカでは先述の通り都市間移動向けに「Uber Intercity」という長距離専用カテゴリも用意されています。


アプリで目的地に遠方を設定すれば自動的にIntercityオプションが表示され、車種と料金が提示されます。



一見すると長距離移動にもUberが使えそうですが、実際のところは注意が必要です。
最大の懸念は「果たしてドライバーが引き受けてくれるか?」という点です。長距離になるほど運転手は往復の燃料や拘束時間を考慮するため、リクエストを拒否されたりキャンセルされたりする可能性が高まります。



特に目的地が地方の町だと、乗客を降ろした後にそのまま空車で長距離を戻らねばならないため敬遠されがちです。
Uber側も長距離用に追加料金を設定してドライバーに割増報酬を出す仕組みはありますが、それでも嫌がる運転手は一定数います。実際、ある旅行者は「インターシティで車を呼べたが、本当に来るのか疑心暗鬼だった」と述べています(やはり途中でキャンセルされ結局来なかったケースも)。長距離のUber予約は実際に車が来るまで確実とは言えないのが現状なのです。



また仮に長距離Uberで目的地に行けたとしても、その到着地で次の移動手段がないリスクがあります。
例えば空港からそのまま200km先のシーギリヤまでUberで行けたとしましょう。



しかしシーギリヤ(ダンブッラ周辺)やポロンナルワ、アヌラーダプラといった地方都市では、そもそもUberやPickMeのドライバー自体が常駐していない可能性が高いです。
実際、南部ビーチリゾートのミリッサや高原のエラでも「アプリを開いても近くに車が見つからない」という報告がありました。このように主要都市圏を離れると配車アプリに頼れないケースが多々あるため、長距離移動先で次の足が確保できず途方に暮れるリスクがあります。


さらに、長距離Uber利用時には予期せぬトラブルの可能性も考慮しましょう。過去にはコロンボ空港でUberを呼ぼうとした旅行者が、空港構内ではUber車両が入れない事情を知らずに混乱し、最終的に別の手段を使ったケースもありました(※この件に関しては後述する空港での利用事情で詳述します)。
また別の例では、Uber車に乗れなかったにもかかわらずアプリ上で運転手に勝手に乗車完了処理をされ、架空の長距離料金を請求されるトラブルも報告されています。このケースでは後日Uberに問い合わせて返金対応してもらえましたが、見知らぬ土地でこうしたトラブルに遭うと精神的にも疲れてしまいますよね。



以上を踏まえると、Uberの長距離利用は「できなくはない」が万全ではないというのが正直なところです。



特に複数の都市を巡る周遊旅行を計画している場合、毎回次の目的地までUberやPickMeで行ける保証はなく、移動のたびに車探しに苦労する可能性が高いです。
旅行日程に余裕があり、「ダメなら代替手段(バスや列車、タクシー交渉)に切り替えればいいや」くらいの柔軟さが持てるなら、Uberで長距離移動に挑戦してみるのも一案でしょう。しかし、タイトな日程で確実に目的地を繋いでいきたい場合や、荷物を積んで快適に移動したい場合には、次に述べるタクシーチャーターの利用が断然おすすめです。
長距離Uber vs 他の移動手段:コロンボ~シーギリヤの場合
長距離移動の具体例として、主要観光ルートの一つである「コロンボ(空港)→シーギリヤ」(約160km)を想定し、Uberと他の手段の比較をまとめました。
移動手段 | 料金目安(コロンボ空港→シーギリヤ) | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
Uber(配車アプリ) | 約6000円前後(需要や時間帯で変動)所要約4時間 | – 事前に料金が確定し交渉不要- アプリ操作のみで手配完了、英語不要 | – 地方ではドライバー不足で呼べない恐れ- 長距離では依頼拒否・途中キャンセルの可能性 |
タクシーチャーター 貸切タクシー | 1日貸切 1.5万円〜2万円程度(ドライバーの宿泊費や食費込み) | – 日程に合わせて自由に途中立ち寄り可 – 政府公認ドライバー◎ – 日本語ドライバーも選択か – 観光資格を保有するドライバーも | – 1人旅では割高だが複数人なら割安 – 事前予約や現地交渉が必要 |
公共交通機関 バス・鉄道 | 数百~1000円 未満所要6~8時間以上(乗継ぎ次第) | – 運賃が非常に安価- 現地生活に触れる冒険要素も | – 直通がなく乗換え・待ち時間多数- 荷物を抱えての長時間移動は大変 |
※料金や所要時間は目安です。タクシーチャーターの相場は車種や時期によって変動します。



こうして比べると、長距離移動では貸切チャーター車の快適さ・信頼性が際立つことが分かります。
ただし費用面では、人数が少ない場合Uberの方が割安に済むケースもあります。ご自身の旅行スタイルや予算、重視するポイントに合わせて最適な手段を選びましょう。



日本人が経営し、政府公認のドライバーを最安値で提供しているスリランカタクシーチャーターサービスについては以下で詳しく説明しています!


コロンボ空港でUberは使える?空港送迎事情とは?
スリランカ旅行で最初に直面する移動シーンが空港から市内への足でしょう。
コロンボのバンダラナイケ国際空港(BIA)では、従来タクシーカウンターで車を手配するか、外に出て一般タクシーと交渉するのが一般的でした。



近年はUberやPickMeの普及に伴い、「空港からUberを利用したい」というニーズも高まっています。
結論から言うと、コロンボ空港でもUberは利用可能です。しかも現在は空港公認の「Uberピックアップポイント」が整備され、以前より格段に使いやすくなっています。


2023年8月、UberはBIA到着ターミナルに専用乗降エリアを開設したと発表しました。到着ロビーを出た所にUberの案内看板や乗車ポイントが設置されており、旅行者はそこへ行けばスムーズにUber車両と合流できます。
これはスリランカ初の試みで、空港側もUberからピックアップ毎に一定の手数料収入(700ルピー+VAT)を得る公式パートナーシップとなっています。要するに空港公認になったことで、従来あった白タクとの縄張り争いを気にせず堂々とUberに乗れる環境が整備されたのです。
実際にUberアプリで空港を発着地に設定すると、一般のUber車種(ZipやPremier、XLなど)に加え「Uber Intercity」や「Uber Rentals」といった選択肢が表示されます。
Rentalsは数時間単位で車をチャーターできるサービスで、たとえば「4時間で複数観光地を巡る」ような使い方も可能です。Uber Vanという大人数向け車種も空港では選べ、トヨタ・ハイエース等の車両で最大10名+荷物が乗車できます。グループ旅行でも対応できるようになっているのは嬉しいですね。
まとめ:Uberとチャーターを上手に使い分けて快適な旅を!
今回のポイントをまとめると以下となります。
- Uberはスリランカ主要都市で利用可能で、安価かつ明瞭な料金設定が魅力。 市内移動や短距離の移動なら、配車アプリを使うことで言葉の不安もなくスムーズに移動できます。4km以上の距離ではトゥクトゥクより安くなるケースもあり、観光客にとって心強い存在です。
- ただしUberの長距離利用には注意が必要。 郊外や地方ではアプリで車を呼べない場合があり、運良く呼べてもドライバーにキャンセルされるリスクがあります。特に一度地方に行くと次の都市間移動で車が捕まらない恐れが高く、長距離の周遊旅行をUberだけで完結させるのは現実的ではありません。
- コロンボ空港ではUberが公式に利用可能に! 専用の乗車スポットが設けられ、空港タクシーに比べても遜色ない料金で市内や各地へ移動できます。到着時はプリペイドSIMを入手し、支払い方法は現金設定にしておくことで、配車連絡やキャンセル対策もバッチリです。
- 複数都市を巡るならタクシーチャーターが断然おすすめ。 専属ドライバー付きの貸切なら、長距離移動も待ち時間ゼロで快適です。日ごとのチャーター料金は一見高めですが、人数で割れば意外と手頃で、荷物管理や途中観光の柔軟性など価格以上のメリットがあります。経験豊富なドライバーが案内役にもなってくれるため、旅全体の満足度もアップします。
- 状況に応じて使い分けるのがベスト。 都市内の短距離移動や空港送迎にはUber等の配車アプリを活用し、都市間の長距離移動や広範囲の観光にはタクシーチャーターを利用する——これがスリランカ旅行を快適かつ効率的に楽しむコツです。移動ストレスを減らして、スリランカの絶景と文化を思う存分堪能してください!
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